アンダークラスが増大の理由
- LAPIN PDG
- 11 時間前
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現代の日本社会において、かつての「一億総中流」という言葉は遠い過去のものとなりつつあります。代わって台頭してきたのが、非正規労働者の中でも特に低所得で不安定な層を指す「アンダークラス」です。
なぜ、豊かなはずの日本でこの層が増え続けているのか。ビジネスパーソンが押さえておくべき、構造的な要因と社会への影響を解説します。
1. アンダークラスとは何か?
社会学者の橋本健二氏らが提唱した概念で、単なる「低所得者」とは一線を画します。
・定義
非正規労働者のうち、パート主婦や学生アルバイトを除いた、「低賃金で不安定な雇用に留まらざるを得ない人々」。
・規模
日本の就業人口の約15%(約900万〜1,000万人規模)に達しており、もはや社会の「例外」ではなく「主要な構成要素」となっています。
2. アンダークラスが増え続ける「3つの構造的要因」
① 企業による「雇用の調整弁」としての固定化
バブル崩壊以降、日本企業は固定費である人件費を削減するため、正社員を減らし非正規雇用へシフトしました。
当初は「一時的な措置」として導入されましたが、グローバル競争の激化により、低コストな労働力として構造的に組み込まれてしまったのが実態です。
② 「就職氷河期世代」の長期化
1990年代後半から2000年代前半に社会に出た「就職氷河期世代」が、一度も正社員としてのキャリアを積めないまま40代・50代に突入しています。
日本の労働市場には依然として強い「新卒至上主義」があり、一度レールを外れると、スキルアップの機会すら与えられない「ロックイン(閉じ込め)現象」が起きています。
③ 世帯構造の変化とセーフティネットの機能不全
かつては「家族(親や配偶者)」が経済的なセーフティネットとなっていましたが、未婚率の上昇や高齢化により、その機能が消失しています。
頼れる家族がいない単身の非正規労働者は、病気や失業ですぐに生活破綻するリスクを常に抱えています。
3. ビジネス・経済への深刻なインパクト
アンダークラスの増大は、一企業のコスト削減というメリットを超え、マクロ経済に甚大なダメージを与えています。
・消費の冷え込み
購買力が極端に低いため、国内市場の縮小を加速させる。
・少子化の加速
経済的不安から結婚・出産を諦める層が多いため、次世代の労働力不足に直結。
・人的資本の劣化
教育や訓練の機会が乏しいため、国全体の技術力・生産性が低下する。
・社会保障費の増大
将来的に無年金・低年金者が急増し、生活保護費などの財政負担が膨れ上がる。
4. 求められる視点の転換
ビジネスパーソンとして意識すべきは、これが「個人の努力不足(自己責任)」の問題ではなく、「持続不可能な社会構造」の問題であるという点です。
労働力不足が深刻化する2026年現在のマーケットにおいて、アンダークラス化している層をいかに「適切な待遇とリスキリング」によって労働市場に再統合できるかが、日本経済の再生、ひいては企業の生き残り戦略の鍵となります。



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