SNS広告に有効なフック
- LAPIN PDG
- 2025年12月25日
- 読了時間: 3分

〜タイポグリセミアとは何か〜
タイポグリセミア(Typoglycemia)現象とは、「単語の最初と最後の文字さえ合っていれば、中身が入れ替わっていても読めてしまう」という脳の認知特性を利用した現象です。
SNSでの拡散性(バイラル性)が高く、ユーザーの足を止めさせる「フック」として非常に強力な手法です。ビジネスパーソン向けに、この現象を広告クリエイティブに落とし込むためのステップを解説します。
1. なぜタイポグリセミアは広告に有効なのか?
広告が溢れる現代において、最大の壁は「無視されること」です。タイポグリセミア広告には、以下の3つのビジネスメリットがあります。
・「アハ体験」による記憶定着
違和感に気づき、それを脳が補完して「読めた!」となる瞬間に快楽物質(ドーパミン)が出やすいため、ブランドが記憶に残りやすくなります。
・高いエンゲージメント
「これ読める?」という文脈でシェアされやすく、SNSでのUGC(ユーザー生成コンテンツ)化が期待できます。
・「自分事化」の促進
読もうと努力するプロセスが発生するため、受動的な広告よりも深くメッセージに関与させることができます。
2. 効果的なタイポグリセミア広告の作り方
●ステップ1
〜ターゲットとなる「コア・メッセージ」を決める〜
すべての文字を入れ替えるのではなく、「最も伝えたいキーワード」をタイポグリセミア化します。
例)
「新発売のコーヒー」→「新発の売コーヒー」
「驚きの価格」→「驚のき価格」
●ステップ2
〜並び替えの黄金ルールを適用する〜
人間が誤読を補完するためには、以下の条件を守る必要があります。
・最初と最後の文字は固定する
これが崩れると一気に読解不能になります。
・4文字以上の単語で構成する
3文字以下だと入れ替えのパターンが少なく、効果が薄くなります。
・文脈(コンテキスト)を用意する
周囲のデザインや画像で、何について書かれているか推測できるようにします。
●ステップ3
〜視覚的な「違和感」と「読みやすさ」を調整する〜
デザイン面では、あえて「整ったフォント」を使うのがコツです。手書き風だと単なる誤字に見えますが、美しい明朝体やゴシック体でタイポグリセミアが起きていると、脳は「何かおかしい」と強く反応します。
3. 実践!
〜コピー作成のビフォー・アフター〜
ビジネスシーンで使える、具体的なクリエイティブ例です。
・転職サービス
あなたの才能を、世界が待っている。
↓
あなたの能才を、界世が待っている。
・エナジードリンク
集中力を、極限まで高めろ。
↓
集中の力を、極まで限高めろ。
・セキュリティソフト
そのパスワード、盗まれていませんか?
↓
そのパワードス、盗まれえていませんか?
4. 運用上の注意点
(リスク管理)
非常に強力な手法ですが、以下の点には注意が必要です。
・ブランドイメージとの整合性
堅実さや正確性を売りにする金融機関や医療機関では、「不注意な印象」を与えるリスクがあります。
・ユーザビリティの配慮
識字障害(ディスレクシア)の方や、日本語を学習中の方には非常に読みづらい内容になります。必ず、注釈や「正解」をどこかに配置するなどの配慮を検討してください。
・「やりすぎ」厳禁
全文を入れ替えると、単にストレスを与えるだけの広告になってしまいます。
■脳の「バグ」を逆手に取る
タイポグリセミア現象を使った広告は、ロジック(論理)ではなくバイオロジー(生物学的な脳の仕組み)に訴えかける手法です。
「正しく伝える」ことだけが広告の正解ではありません。あえて「崩して伝える」ことで、顧客の脳に深く入り込んでみてはいかがでしょうか。



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