滋賀県のキーホルダー現象
- LAPIN PDG
- 2025年12月20日
- 読了時間: 3分

〜優れたマーケティングが人気の秘密〜
滋賀県の道の駅で現在、空前のヒットを記録している「BIWAKOアクリルキーホルダー」。行列ができ、即完売するほどの人気を博しているこの現象は、単なるキャラクターグッズの流行を超えた、非常に優れたマーケティング戦略の結果といえます。
ビジネス視点でこの「キーホルダー現象」の成功要因を分析・解説します。
1. 「共通言語」と「独自性」の両立
このキーホルダーの最大の特徴は、「琵琶湖の形」という県民・観光客共通のアイコンをベースにしつつ、「設置場所ごとに異なるチャーム」を封入している点にあります。
・道の駅 草津→イナズマ
西川貴教氏主催の「イナズマロックフェス」の聖地。
・道の駅 マキノ追坂峠→メタセコイア
全国的に有名な「メタセコイア並木」。
・道の駅 伊吹の里→伊吹山
日本百名山の一つ、地域のシンボル。
・道の駅 あいとう→マーガレット
花の産地としてのアイデンティティ。
※ビジネス的な示唆
「滋賀県(琵琶湖)」というマクロなブランドと、「各道の駅(地域)」というミクロなブランドを掛け合わせることで、「ここでしか買えない」という強い希少性を生み出しています。
2. SNSによる「可視化」と「共創」の仕組み
このヒットは、デジタル時代の「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」を最大限に活用しています。
・「映え」るプロダクトデザイン
透明なアクリルの中にカラフルなビーズが動く「シェイカータイプ」のデザインは、写真や動画との相性が抜群です。SNS(InstagramやThreads)で拡散されることを前提とした設計といえます。
・コレクション欲求の刺激
中身が場所によって異なるため、ユーザーは「全種類コンプリートしたい」という心理になり、自発的に各地点を巡る様子をSNSにアップします。これがさらなるフォロワーの訪問を呼ぶ「循環型集客」を成立させています。
3. ガチャガチャ形式による「顧客体験」の提供
単なる店頭販売ではなく、「ガチャガチャ(カプセルトイ)」という形式を採用したことも大きな勝因です。
・エンタメ性の付加
400円という決済のしやすさと、「何色が出るか分からない」というゲーム性が、購買のハードルを下げ、体験価値を高めています。
・オペレーションの効率化
道の駅スタッフが対面で販売する手間を省きつつ、整理券配布などで「行列=人気店」という視覚的マーケティング効果も副次的に生んでいます。
4. 地方創生・商品開発」のエッセンス
この事例から学べる「地方創生・商品開発」のエッセンスは以下の3点です。
・ 文脈の再解釈
琵琶湖という「当たり前にある資源」に、現代的なデザインと「遊び心」を加えることで、高単価・高回転の商品に昇華させた。
・回遊性の設計
単体完結型ではなく、複数の拠点を回らせる「ネットワーク型の商品展開」により、県全体の観光消費額の向上に寄与している。
・ターゲットの明確化
従来の「お土産」が中高年ターゲットだったのに対し、SNS感度の高い若年層〜子育て世代を狙い撃ちしたプロダクト設計。
■まとめ
滋賀県の道の駅キーホルダーは、「地域アイデンティティの記号化」と「SNSを通じた体験の共有」が完璧に融合した成功事例です。地元の資産をどう「パッケージング」し直すかという問いに対する、一つの正解を示しています。



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