結婚や子育ては個人の自由で終わらない
- LAPIN PDG
- 2025年10月11日
- 読了時間: 4分

〜老後を襲う「未来の壁」〜
結婚や子育てをしないという選択は、もちろん個人の自由であり、誰にも強制できるものではありません。しかし、今、多くの人がその選択の先に、やがて自分自身を直撃するかもしれない「未来の壁」があることに気づき始めています。
「子育てに消極的で何が悪い」「老後は自分で何とかする」—そう考える人もいるでしょう。しかし、今の日本で急速に進む「少子高齢化」は、私たちが当たり前だと考えている老後の生活、特に社会の支えを根本から揺るがし始めています。子供が増えなければ、あなたの老後を支える社会のシステムが立ち行かなくなるという、極めて現実的な警鐘を鳴らします。
1. 「賦課方式」の年金・社会保障
〜若者がいなければ破綻する〜
日本の公的年金制度や医療・介護の社会保障制度は、基本的に「賦課方式」で成り立っています。これは、今の現役世代が納めた保険料や税金で、今の高齢者を支える仕組みです。
・現在の仕組み
現役世代(支える側)が多いからこそ、高齢世代(支えられる側)に安定した給付が可能です。
・未来の危機
しかし、少子化が進むと、支える現役世代の人口は激減し、支えられる高齢者の人口は急増します。
やがて日本には、一人の高齢者を一人の現役世代が肩車して支えるような、極端な「肩車社会」がやってきます。この比率で社会保障を維持しようとすれば、現役世代の社会保険料負担は爆発的に増加するか、高齢者への年金・医療・介護の給付水準が大幅にカットされるしかありません。
「老後の生活費は自分で貯めたから大丈夫」と思うかもしれません。しかし、医療や介護サービスは、お金を払えば無限に受けられるわけではありません。
2. 医療・介護の現場から人が消える
〜お金があってもサービスがない〜
年金が減るだけではありません。最も深刻な影響は、あなた自身が病気や介護が必要になった時に、そのサービスを提供する「人」がいなくなることです。
・労働力不足の深刻化
少子化は、あらゆる分野の労働力不足を引き起こします。中でも、重労働で人手が必要な医療・介護の分野で、その影響は甚大です。
・「お金はあるが、受けられない」事態に
若者が減り続ければ、優秀な医師や看護師、介護士などの絶対数が不足します。結果として、高額な費用を払っても、質の高い、あるいは迅速な医療・介護サービスを受けられない事態が現実味を帯びてきます。
あなたが将来、病に伏したとき、自宅での生活が困難になったとき、公的な支援だけではまかなえず、私費でヘルパーを雇おうとしても、その「ヘルパー」が存在しないかもしれません。お金では解決できない問題が、あなたの老後を直撃するのです。
3. 地域コミュニティの崩壊
〜身寄りのない「孤立死リスク」の増大〜
少子高齢化は、家族構成だけでなく、私たちの生活を支える地域社会の機能をも破壊します。
・「互助」機能の喪失
人口が減り、高齢者ばかりになると、地域の商店街はシャッター街になり、公共交通機関は維持が難しくなります。隣近所の「ちょっとした助け合い」といった互助の機能が縮小していきます。
・単身高齢者の孤立
家族や子供がいない単身高齢者が増加する中で、地域社会の力が弱まれば、孤独死や孤立死のリスクは格段に高まります。行政サービスも人手不足で手薄になり、誰にも気づかれずに困窮するケースが増えるでしょう。
結婚や子育てをしないことは、あくまで個人の生き方です。しかし、子供が増えないことによる社会全体の機能不全は、やがて社会から「支え」と「安心」を奪い、その結果として、個人が自立して老後を生きるための土台まで崩しかねません。
「未来の壁」は、私たちが直面する社会全体の課題です。この警鐘は、決して「子供を産め」という義務論ではなく、「このままでは、皆が困る」という、未来を生きる当事者としての現実的な警告なのです。
この「未来の壁」に立ち向かうために、社会が何をすべきか、あるいは、私たち自身が今できることは何だと考えますか?



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