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良いインフレと悪いインフレ

「インフレ」と聞くと、物価が上がって家計が苦しくなる、というネガティブなイメージを抱く方が多いかもしれません。しかし、インフレには経済を活性化させる「良いインフレ」と、生活を圧迫する「悪いインフレ」の2種類があります。この違いを理解することは、現在の経済状況を読み解く上で非常に重要です。


■良いインフレとは?

良いインフレとは、景気拡大に伴って物価が緩やかに上昇していく状態を指します。具体的には、以下のような好循環が生まれます。


1.需要の増加

経済が好調で、消費者の所得が増えたり、企業が積極的に投資したりすることで、モノやサービスへの需要が高まります。


2. 企業の収益増加

需要が増えることで、企業は生産量を増やし、売上が伸びて利益も増加します。


3.賃金の上昇

企業の利益が増えることで、従業員への賃金が増加します。


4.消費のさらなる活性化

賃金が上がった消費者は購買力が高まり、さらにモノやサービスを購入するようになります。


このように、良いインフレは「需要過多型インフレ(ディマンドプル型インフレ)」とも呼ばれ、経済全体にお金が循環し、企業の設備投資や技術革新も促され、結果的に生活水準の向上につながる可能性があります。中央銀行が目標とする年率2%程度の緩やかなインフレは、この「良いインフレ」の状態と言えます。


■良いインフレのメリット

1.経済成長の促進

消費と投資が活発になり、経済全体が成長します。


2.雇用機会の増加

企業の生産活動が活発になり、新たな雇用が生まれます。


3.賃金の上昇

企業の利益が増えることで、従業員の賃金も上昇しやすくなります。


4.債務者にとって有利

借金の返済額は変わらなくても、インフレによってお金の価値が下がるため、実質的な負担が軽くなります。


■悪いインフレとは?

一方、悪いインフレとは、景気が悪化しているにもかかわらず、物価だけが上昇していく状態を指します。これは「供給要因型インフレ(コストプッシュ型インフレ)」と呼ばれることが多いです。


1.原材料費やエネルギー価格の高騰

原油価格の高騰や、輸入原材料の価格上昇(円安によるものも含む)など、供給側のコストが増加します。


2.企業の生産コスト増加

原材料費などの上昇により、企業の生産コストが増大します。


3.商品価格への転嫁

企業は増大したコストを吸収しきれず、商品の価格に転嫁せざるを得なくなります。


4.賃金が上がらない

しかし、景気が悪いため企業の収益は伸びず、賃金は上がらないか、物価上昇に追いつかない状態が続きます。


5.購買力の低下と消費の冷え込み

賃金が上がらない中で物価だけが上昇するため、消費者の購買力が低下し、家計が圧迫されます。これにより、消費が冷え込み、さらに景気が悪化するという悪循環に陥る可能性があります。


特に、景気後退とインフレが同時に進行する状態は「スタグフレーション」と呼ばれ、経済にとって最も望ましくない状況の一つとされています。



■悪いインフレのデメリット

1.購買力の低下

賃金が上がらないのに物価だけが上がるため、消費者の購買力が低下し、生活が苦しくなります。


2.企業収益の圧迫

コスト増を価格に転嫁しきれない企業は、利益が圧迫されます。


3.経済成長の停滞

消費が冷え込むことで、企業の生産活動も鈍化し、経済成長が停滞します。


4.貯蓄の価値の目減り

インフレによってお金の価値が下がるため、預貯金の価値が実質的に減少します。



■まとめ


インフレは、単に物価が上がる現象として捉えるのではなく、その背景にある経済状況と、それが私たちの生活にどのような影響を与えるのかを理解することが大切です。良いインフレであれば経済の活性化が期待できますが、悪いインフレであれば生活防衛のための対策を考える必要が出てきます。


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©2023 合同会社ラパンサービス

Écrit par Hideo Yamamoto.

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