ドンキ離れが起こっている!
- LAPIN PDG
- 2025年12月17日
- 読了時間: 3分

〜ドンキらしさが仇に〜
近年、圧倒的な成長を続けてきた「ドン・キホーテ(PPIH)」ですが、一部の消費者層、特にタイパ(タイムパフォーマンス)や合理性を重視する層において「ドンキ離れ」という現象が指摘されています。
ビジネスの視点から、なぜ「ドンキらしさ」が一部の顧客にとっての敬遠材料に転じているのか、その構造的な理由を解説します。
1. 「宝探し」が「コスト」に変わった
ドン・キホーテの代名詞である「圧縮陳列」は、かつては宝探しのようなワクワク感を提供するエンターテインメントでした。しかし、効率性を重視する現代の消費者にとって、この陳列は「目的の商品にたどり着くまでの時間が長い」という時間的損失として捉えられ始めています。
・タイパ至上主義
迷路のような店内を歩き回るよりも、整理されたECサイトやドラッグストアで最短距離で買い物を終えたいというニーズが増加しています。
・心理的負荷
情報過多なPOPや狭い通路が、一部の層には「疲労」を感じさせる要因となっています。
2. デジタル・EC体験との乖離
ドン・キホーテは実店舗での「体験」に重きを置いてきましたが、デジタルシフトが進む中で以下のギャップが生じています。
・在庫検索の不透明性
「行ってみないと何があるかわからない」のが魅力でしたが、在庫状況をアプリで確認してから動く現代の購買行動とは相性が良くありません。
・UI/UXの差
洗練されたデザインのD2Cブランドや、ミニマルなECサイトに慣れた若年層にとって、ドンキの「カオスさ」はブランド体験として「ノイズ」に感じられるケースがあります。
3. 「PB(情熱価格)」の進化によるジレンマ
ドンキは現在、プライベートブランド(PB)である「情熱価格」の刷新に成功し、利益率を向上させています。しかし、これが新たな課題を生んでいます。
・「驚安」イメージの薄れ
高品質・高付加価値な商品が増えたことで、「とにかく安い」という従来のイメージが希薄化し、価格のみを追求する層が他のディスカウントスーパー(オーケー、ロピアなど)へ流出しています。
・ブランドの一般化
尖った商品だけでなく「普通に良いもの」が増えた結果、ドンキでなければならない独自性が薄れ、競合(ドラッグストアやホームセンター)との比較対象になってしまいました。
4. 顧客体験(CX)の質の再定義
レジ待ちの行列や、若年層がたまる「深夜のたまり場」といった店舗イメージが、落ち着いて買い物をしたい世帯層や高所得層の足を引き止める要因となっています。
圧縮陳列→検索性が低く、時間がかかる
深夜営業→治安や客層への不安
手書きPOP→情報量が多くて疲れる
商品ラインナップの雑多さ→選択肢が多すぎて選べない(選択のパラドックス)
■求められる「カオス」と「効率」の両立
「ドンキ離れ」の本質は、ドンキが劣化したのではなく、消費者の「買い物に割くリソース(時間・精神力)」がシビアになったことにあります。
PPIH側もこの状況を静観しているわけではなく、都市型店舗(キラキラドンキ)や、より整理された大型店(メガドンキ)など、セグメントに合わせた多角化を進めています。ビジネスパーソンとしては、ドンキの強みである「現場の裁量権(アメーバ経営)」が、この消費者の変化にどう適応していくかに注目すべきでしょう。



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