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謝罪の質とビジネス

Apology Quality and Business
Apology Quality and Business

〜なぜ「すみません」が言えない?〜


近年、ビジネスの現場で「謝らない人」が増えていると感じませんか? ちょっとしたミスでも「すみません」の一言がなく、「そういう仕様です」「勘違いされていませんか?」といった言葉が返ってくることも珍しくありません。なぜこのような変化が起きているのでしょうか。その背景と、ビジネスへの影響、そして私たちにできることについて解説します。




1.「謝らない人」が増えた3つの理由



1) 完璧主義と自己防衛意識の台頭


現代社会では、SNSなどで常に他者と比べられる環境にあります。自分のミスを認めることは、自分の弱さを露呈することだと捉えられがちです。特に若手世代を中心に、小さなミスでも「完璧ではない自分」をさらけ出すことへの抵抗感が強く、無意識のうちに自己防衛として謝罪を避ける傾向があります。


2) 指導の欠如と人間関係の希薄化


職場でのOJT(On-the-Job Training)が減り、先輩から直接、仕事の進め方やビジネス上のマナーを教わる機会が少なくなりました。謝罪は相手との人間関係を円滑にするためのコミュニケーションスキルですが、こうしたスキルを学ぶ機会が減ったことで、謝罪の重要性を理解していない人も増えています。また、オンラインでのやり取りが増え、相手の表情や感情が読み取りにくくなったことも、謝罪の言葉を省く一因となっています。


3) 「謝罪=敗北」という誤った認識


一部の企業文化では、「謝罪は弱みを見せる行為であり、交渉で不利になる」という考え方が根強くあります。この考え方は、特に営業職や交渉の場で顕著です。しかし、真摯な謝罪は、むしろ相手との信頼関係を築き、次の機会につなげるための重要なステップです。にもかかわらず、謝罪を避けることが「賢い選択」だと誤解されているケースがあります。




2.ビジネスにおける3つの悪影響


謝罪しない行動は、単なる個人のマナーの問題にとどまらず、ビジネスに深刻な影響を及ぼします。


1) 顧客からの信頼失墜


顧客は、商品やサービスだけでなく、対応の質も重視します。ミスやトラブルが起きた際に、真摯な謝罪がないと「この会社は責任感がない」「顧客を軽視している」と判断され、リピート率の低下やブランドイメージの悪化につながります。一度失った信頼を取り戻すには、多大な時間と労力が必要です。


2) チーム内の連携不全


チーム内でミスや遅延が発生した際、誰も責任を認めない状況が続くと、問題解決が遅れるだけでなく、互いの不信感が増大します。結果として、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)が滞り、チームとしてのパフォーマンスが低下。生産性の低下だけでなく、離職率の上昇にもつながりかねません。



3) 新たなビジネスチャンスの喪失


謝罪とは、相手の期待に応えられなかったことに対して、誠意を示す行為です。この誠意が欠けると、相手との関係が途絶え、新たなプロジェクトや取引の機会を失ってしまいます。逆に、迅速かつ丁寧な謝罪は、「この人(会社)は信頼できる」という評価につながり、次なるビジネスチャンスを生み出すこともあります。




3.謝罪の質を高め、ビジネスを成長させるために


「すみません」の一言を言うか言わないか、それだけの問題ではありません。謝罪は、ビジネスを円滑に進めるための重要なスキルです。


1)「申し訳ありません」と「どうすれば解決できるか」をセットで伝える


問題の原因が何であれ、まずは相手に不快な思いをさせたことに対し、誠実な謝罪の言葉を伝えましょう。その上で、「原因は〇〇にありました。今後は〜という対策を講じます」と、解決策や再発防止策を具体的に示すことが重要です。


2)謝罪は「弱み」ではなく「強み」と捉える


潔く謝罪できる人は、自己理解が深く、責任感が強い人です。そして、相手の感情に寄り添う共感力がある人とも言えます。これらの資質は、ビジネスにおいて大きな強みとなります。


3)チーム内で心理的安全性を高める


上司やチームリーダーは、ミスを厳しく非難するのではなく、「失敗から何を学べるか」という視点でフィードバックを行うことが大切です。互いにミスを共有し、助け合える環境を作ることで、謝罪への心理的なハードルが下がり、チーム全体の信頼関係が深まります。



謝らない人が増えた背景には、現代社会特有の様々な要因が絡み合っています。しかし、ビジネスを円滑に進め、長期的な成功を収めるためには、謝罪の重要性を再認識することが不可欠です。


あなたの職場では、謝罪をめぐるコミュニケーションはうまく機能していますか?


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©2023 合同会社ラパンサービス

Écrit par Hideo Yamamoto.

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