アメーバー経営とは
- LAPIN PDG
- 2025年12月23日
- 読了時間: 2分

「アメーバー経営」は、京セラの創業者である故・稲盛和夫氏が生み出した独自の経営管理手法です。倒産寸前だった日本航空(JAL)を短期間で再生させた原動力としても知られています。
ビジネスパーソンとして知っておきたい、その仕組みと本質を分かりやすく解説します。
1. アメーバー経営とは何か?
アメーバー経営とは、組織を「アメーバ」と呼ばれる5〜10人程度の小集団に細分化し、それぞれのリーダーに経営を任せる「全員参加経営」の仕組みです。
通常の組織では、経営陣だけが数字(利益)を意識しますが、アメーバ経営では現場の一人ひとりが「どうすれば自分たちの利益が増えるか」を主体的に考えるようになります。
●3つの目的
・市場直結の部門別採算制度の確立
市場の変化に即座に対応する。
・経営者意識を持つ人材の育成
若いうちから経営を経験させる。
・全員参加経営の実現
全社員が会社の目標を自分事化する。
2. 独自の指標「時間当り採算」
アメーバ経営を支える最大の特徴が、「時間当り採算制度」という独自の家計簿のような計算式です。
時間当り付加価値 = 総売上 - 経費(人件費を除く)/総労働時間
・人件費をあえて引かない
「自分たちの労働がどれだけの価値を生んだか」を可視化するため、人件費は経費に含めず、分子に残します。
・時間で見える化
1時間あたりいくらの利益を出したかが明確になるため、現場レベルで「あと5分短縮すれば利益が上がる」といった改善が具体化します。
3. アメーバ経営のメリットと注意点
※メリット
・経営判断のスピードアップ
現場のリーダーに権限があるため、即断即決が可能。
・コスト意識の徹底
鉛筆1本、コピー1枚の経費まで自分たちの採算に直結するため、無駄がなくなる。
・やりがいの向上
自分の頑張りが数字としてダイレクトに現れる。
※運用上の注意点(陥りやすい罠)
・部分最適の弊害
自部門の利益を優先するあまり、他部門との協力関係が薄れる(セクショナリズム)。
・数字の追求
数字ばかりを追いかけ、企業の理念や倫理観が疎かになるリスク。
稲盛氏はこれを防ぐために、「フィロソフィ(哲学)」の共有をセットで行うことを最重視しました。
4. 現代ビジネスにおける意義
変化の激しい現代(VUCAの時代)において、トップダウンの意思決定だけでは限界があります。現場の一人ひとりが「自立した経営者」として動くアメーバ経営の考え方は、アジャイル開発やティール組織といった現代の組織論とも多くの共通点を持っています。



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