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生成AIがリソースを食い潰す

Generative AI eats up resources
Generative AI eats up resources

〜話題になりにくい生成AIの負の側面〜


AI技術の急速な進展に伴い、世界中でデータセンター(DC)の建設ラッシュが続いています。しかし、ビジネスリーダーにとって、このインフラ拡大がもたらす「負の側面」を理解しておくことは、リスク管理やESG投資の観点から不可欠です。


AIデータセンターが増え続けることで予想される主な悪影響を、3つの視点で解説します。


1. 電力需給の逼迫と「エネルギー争奪戦」

AIの学習や推論には、従来のクラウドサービスとは比較にならないほどの膨大な電力が必要です。


・系統電力への負荷

生成AIのクエリ1回あたりの電力消費量は、通常のGoogle検索の約10倍と言われています。DCの集中する地域では既存の送電網(グリッド)が耐えきれず、新規工場の建設や住宅開発が制限される事態が既にアイルランドやドイツで発生しています。


・電気料金の上昇

需要が供給を上回ることで、企業や家庭の電気料金が押し上げられるリスクがあります。これは企業の営業利益を圧迫する直接的な要因となります。





2. 膨大な「水消費」による環境負荷

意外に見落とされがちなのが、サーバーを冷却するために消費される「水」の問題です。


・水不足のリスク

巨大なDCは1日に数百万リットルもの淡水を消費することがあります。干ばつに見舞われやすい地域では、地域住民の飲料水や農業用水と競合し、社会的・政治的な摩擦を生む原因(ウォーター・リスク)となります。


・排水による生態系への影響

冷却に使用された後の温まった水が排出されることで、周辺の河川や湖の生態系に悪影響を及ぼす懸念も指摘されています。




3. 「サプライチェーン」と「廃棄物」の課題

ハードウェアの短サイクル化が、新たな問題を引き起こします。


・E-waste(電子廃棄物)の増大

AIチップ(GPU)の進化スピードは極めて速く、数年で旧式化します。これにより、大量の電子廃棄物が発生します。これらには有害物質が含まれるケースもあり、適切な処理コストが上昇しています。


・希少金属(レアメタル)の依存

高性能なサーバーの製造には多くの希少資源が必要です。これらは地政学的リスクが高い地域で採掘されることが多く、調達網の不安定化が懸念されます。





■ビジネスパーソンが取るべき視点

AIデータセンターの増設は、利便性の裏側で「電力・水・資源」という物理的な制約に直面しています。


今後、企業には以下の対応が求められるでしょう。


1.エネルギー効率(PUE値)の高いDCの選定


2.AIモデルの軽量化による計算リソースの節約


3.再生可能エネルギー自給への投資検討


「AIを活用する」フェーズから、「AIの持続可能性を管理する」フェーズへの転換が始まっています。



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©2023 合同会社ラパンサービス

Écrit par Hideo Yamamoto.

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