岐路に立つ100均ショップの現状
- LAPIN PDG
- 2025年12月26日
- 読了時間: 2分

〜物価高と円安のダブルパンチ〜
物価高と円安のダブルパンチにより、日本のデフレ経済の象徴であった「100円ショップ」がかつてない転換期を迎えています。
ビジネス視点でこの現状を読み解くと、単なる「値上げ」の問題ではなく、薄利多売モデルそのものの構造的限界が見えてきます。
1. なぜ「100円」の維持が困難なのか
〜3つの圧迫要因〜
100円ショップのビジネスモデルは、大量発注による規模の経済と、海外(主に中国や東南アジア)からの安価な仕入れによって成立していました。しかし、現在はその前提が崩れています。
・歴史的な円安
輸入品の仕入れ価格を直接押し上げ。為替予約の効果も限界に。
・原材料・物流費高騰
プラスチック原料(原油)や木材、輸送燃油サーチャージが上昇。
・人件費の増大
国内店舗のパート・アルバイト時給上昇、物流拠点の人手不足。
2. 大手各社で鮮明になる「二極化」の戦略
生き残りをかけた戦略は、大きく二つの方向に分かれています。
A. 脱・100円
(マルチプライス戦略)
業界最大手のダイソーなどは、300円、500円といった高価格帯商品の比率を急速に高めています。
・新ブランドの展開
「Standard Products」などの高付加価値ブランドを立ち上げ。
・収益性の改善
100円の枠を外すことで、機能性やデザイン性を追求し、粗利率を確保。
B. 100円死守
(効率化の徹底)
業界2位のセリアは、現時点でも「100円均一」の看板を維持する方針を貫いています。
・IT投資と自動化
発注システムの高度化や、セルフレジ導入による省人化で販管費を極限まで抑制。
・商品開発の工夫
サイズを数ミリ小さくする、枚数を減らすといった「ステルス値上げ」による調整。
3. ビジネスモデルの限界と今後の展望
100円ショップの苦境は、日本経済が「デフレ脱却」に向かうプロセスでの摩擦とも言えます。
「100円という価格そのものが、グローバルなインフレ経済において非現実的になりつつある」
今後は、単なる安さではなく「この品質が300円なら安い」と思わせる、コストパフォーマンスの再定義が求められています。100円ショップはもはや「安さの殿堂」から、独自のMD(商品計画)能力を競う「ライフスタイル提案型小売」へと進化を余儀なくされています。



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