多様性の時代に考える職場の暗黙のルール
- LAPIN PDG
- 2025年8月10日
- 読了時間: 3分

〜「忖度」から「対話」へ〜
現代のビジネスシーンでは、グローバル化や働き方の多様化が急速に進んでいます。そんな中、多くの日本企業には、長年にわたって築かれてきた「暗黙のルール」が存在します。これらは、明文化されていないものの、組織の円滑な運営に一役買ってきた側面がある一方で、多様な人材が活躍する上での障壁となり得ることも事実です。
今回は、この「暗黙のルール」の是非を、多様性の時代という視点から考察します。
1.「空気を読む」「忖度する」文化の功罪
日本の職場でよく耳にするのが、「空気を読む」「忖度する」といった言葉です。これは、相手の意図や感情を察して行動する文化であり、円滑な人間関係を保つための潤滑油として機能してきました。しかし、これは同時に、自分の意見を率直に表現しにくい環境を作り出す可能性があります。
たとえば、会議で若手社員が斬新なアイデアを提案したいと思っても、「上司の意見と違うことを言ってはいけない」という暗黙のルールが働いてしまい、結局は何も発言できない、といったケースは少なくありません。これは、組織の成長に必要なイノベーションの芽を摘んでしまうことになりかねません。
また、非正規雇用や外国人労働者など、多様な背景を持つ人々にとって、「空気を読む」という文化は大きなハードルとなります。彼らは、長年その組織に所属していないため、「空気」を読めないのは当然です。彼らにとって、明文化されていないルールを察することは困難であり、結果としてコミュニケーションの齟齬や孤立を生んでしまう可能性があります。
2.暗黙のルールがもたらす「同質性」の弊害
暗黙のルールは、しばしば組織内の「同質性」を強める方向に働きます。たとえば、「退社時間には上司より先に帰ってはいけない」という暗黙のルールがある場合、個人のライフスタイルや家庭の事情を無視して、残業が当たり前の文化が形成されてしまいます。これは、育児や介護と仕事を両立したい人にとって、非常に大きな負担となります。
このような「同質性」は、組織の思考を硬直化させ、新しい視点や価値観を取り入れることを妨げます。同質性の高い組織は、外部環境の変化に対応するのが遅れがちになり、結果として競争力を失うリスクを抱えることになります。
3.「暗黙のルール」から「明文化された対話」へ
多様な人材が最大限のパフォーマンスを発揮するためには、組織内のルールを**「暗黙」から「明文化」**へ移行していくことが不可欠です。もちろん、すべてのルールを明文化する必要はありませんが、特に働き方や評価制度、コミュニケーションのあり方など、組織の根幹に関わる部分については、全従業員が共有できる明確な指針が必要です。
4.企業が持続的に成長していくための鍵
多様性が求められる現代において、私たちは「忖度」や「空気を読む」という文化をすべて否定するのではなく、その功罪を冷静に分析する必要があります。そして、これまで暗黙のうちに受け継がれてきたルールを、「なぜそのルールがあるのか?」「誰にとって有益なのか?」と問い直すことから始めるべきです。
個々の意見や価値観を尊重し、建設的な「対話」を通じて、時代に合った新しいルールを共に創り上げていく。それこそが、多様な人材が輝き、企業が持続的に成長していくための鍵となるのではないでしょうか。



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