退職代行は後悔のもと?
- LAPIN PDG
- 4月12日
- 読了時間: 5分

〜自分で手続きしないことのデメリットと注意点〜
近年、退職の手続きを代行してくれる「退職代行サービス」を利用する人が増えています。煩わしい手続きを全て任せられる手軽さは魅力的ですが、安易な利用は後々大きな後悔につながる可能性も否定できません。
本記事では、退職代行サービスの利用が孕むデメリットと、自ら退職手続きを行うことの重要性について解説します。
■退職代行サービスの利用がもたらす可能性のあるデメリット
退職代行サービスは、一見すると時間や労力を節約できる便利な手段に見えます。しかし、その手軽さの裏には、以下のような見過ごせないデメリットが潜んでいます。
1. 会社との関係悪化
〇誠意の欠如と捉えられる可能性
会社側は、従業員本人が直接退職の意思を伝えることを期待している場合がほとんどです。第三者を通じての連絡は、会社に「最後まで責任を果たさない」「顔も見せたくない」といったネガティブな印象を与え、関係が悪化する可能性があります。
〇不要なトラブルの誘発
退職代行サービスの中には、強引な交渉を行う業者も存在します。そのような業者の利用は、会社との間で感情的な対立を生み、本来スムーズに済むはずの退職手続きを複雑化させる可能性があります。
2. 重要な手続きを他人任せにすることによるリスク
〇退職条件の確認不足
退職金、有給休暇の消化、社会保険の手続きなど、退職に際して確認すべき重要な事項は多岐にわたります。これらを全て代行業者に任せてしまうと、自身で内容を十分に理解しないまま手続きが進んでしまう可能性があります。後になって「こんなはずではなかった」と後悔しても、取り返しがつかない場合があります。
〇誤った情報伝達のリスク
代行業者が会社に伝える情報が、あなたの意図と完全に一致するとは限りません。伝達ミスやニュアンスの違いによって、会社との間で認識の齟齬が生じる可能性があります。
〇書類不備のリスク
退職に必要な書類は多岐にわたり、不備があると手続きが滞る可能性があります。代行業者が全ての書類を正確に準備してくれるとは限りません。結果的に、自分で確認や修正を行う手間が発生する場合があります。
3. コミュニケーション不足による後悔
〇感謝の気持ちや別れの挨拶ができない
長年勤めた会社や同僚に対し、直接感謝の気持ちを伝えたり、別れの挨拶をしたりすることは、社会人としての礼儀であり、自身の気持ちの整理にも繋がります。退職代行を利用すると、これらの大切なコミュニケーションの機会を失い、後々心残りに感じる可能性があります。
〇退職理由を直接説明できないことによるわだかまり
退職理由によっては、会社に直接説明することで理解が得られたり、改善に繋がる可能性もあります。代行業者を通じて一方的に退職を伝えるだけでは、会社との間にわだかまりが残り、自身のキャリアにとってもマイナスとなる可能性があります。
4. 費用負担
〇決して安くない費用
退職代行サービスの利用には、数万円程度の費用がかかります。自分で手続きを行えば不要な出費であり、その費用を他のことに使うことができたはずです。
■それでも退職代行サービスの利用を検討する場合
上記のようなデメリットがあるにも関わらず、どうしても退職代行サービスの利用を検討する場合は、以下の点に十分注意してください。
〇信頼できる業者を選ぶ
実績や評判を徹底的に確認し、悪質な業者ではないかを見極めることが重要です。
〇契約内容を隅々まで確認する
サービス範囲や費用、責任の所在などを明確に理解した上で契約を結びましょう。
〇自身でも手続きの内容を把握する
全てを業者に任せきりにするのではなく、どのような手続きが行われているのか、自身でも確認するように心がけましょう。
〇会社との関係悪化のリスクを理解する
退職代行の利用が、会社との関係に 悪影響を与える可能性があることを覚悟しておきましょう。
■自分で退職手続きを行うことのメリット
一方、自分で退職手続きを行うことには、以下のような多くのメリットがあります。
〇会社との良好な関係を維持できる
誠意をもって退職の意思を伝えることで、会社からの理解や協力を得やすくなります。
〇自身の意思を正確に伝えられる
退職理由や条件などを、自分の言葉で直接伝えることができます。
〇重要な手続きを自身で確認できる
退職金や保険などの手続き内容を、納得いくまで確認することができます。
〇感謝の気持ちや別れをきちんと伝えられる
同僚や上司に直接感謝の気持ちを伝え、円満な退職を迎えることができます。
〇費用がかからない
当然ながら、退職代行サービスのような費用は一切かかりません。
■まとめ
退職は、あなたのキャリアにおける重要な転換期です。退職代行サービスの利用は、一時的な手間を省くことができるかもしれませんが、その裏には会社との関係悪化、重要な手続きを他人任せにすることによるリスク、コミュニケーション不足による後悔といった多くのデメリットが潜んでいます。
可能な限り、自身の責任において退職の手続きを行うことが、後悔のない、より良い未来への第一歩となるでしょう。退職に関する不安や疑問がある場合は、会社の担当部署に相談するなど、積極的に行動することをおすすめします。
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