新卒採用の抑制と中途採用の増加
- LAPIN PDG
- 2025年6月26日
- 読了時間: 5分

〜加速する採用戦略の転換〜
現代のビジネス環境は急速に変化しており、それに伴い企業の採用戦略も大きく様変わりしています。特に近年、新卒採用に消極的で中途採用を増やす企業が増加傾向にあります。本記事では、この採用トレンドの背景にある要因、企業が中途採用を重視する理由、そしてビジネスパーソンがこの変化にどう対応すべきかについて解説します。
1. 変化の背景にある主要因
この採用戦略の変化には、いくつかの複合的な要因が絡み合っています。
〇急速な事業環境の変化と即戦力ニーズの高まり
現代はVUCA(Volatility、Uncertainty、Complexity、Ambiguity:変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代と言われ、市場のニーズやテクノロジーの進化が目まぐるしく変化しています。企業は新たな事業機会を迅速に捉え、既存事業を変革していく必要があります。このため、入社後すぐに活躍できる即戦力となる人材が不可欠となっています。新卒社員を育成するには時間とコストがかかるため、即戦力を求める企業にとっては中途採用が魅力的な選択肢となります。
〇人手不足の深刻化と採用競争の激化
少子高齢化による労働力人口の減少は、日本企業にとって深刻な課題です。特に特定のスキルや経験を持つ人材は希少価値が高く、企業間の採用競争は激化の一途をたどっています。このような状況下で、新卒採用だけに頼っていては、必要な人材を確保することが難しくなっています。
〇終身雇用制度の形骸化と流動性の高まり
かつての日本企業で一般的だった終身雇用制度は、もはや絶対的なものではなくなっています。個人のキャリア意識の変化も相まって、転職は当たり前の選択肢となり、人材の流動性が高まっています。企業もこの変化に対応し、外部から優秀な人材を獲得することに積極的になっています。
〇DX(デジタルトランスフォーメーション)推進による専門人材の需要増
多くの企業がDXを経営戦略の柱に据え、デジタル技術を活用した事業変革を進めています。これに伴い、AI、データサイエンス、クラウドコンピューティング、サイバーセキュリティなどの専門知識を持つ人材の需要が飛躍的に高まっています。これらのスキルを持つ人材は市場に少なく、即戦力として中途採用で獲得するケースが増えています。
2. 企業が中途採用を重視する具体的な理由
上記の背景要因に加え、企業が中途採用を重視する具体的なメリットは以下の通りです。
〇即戦力によるパフォーマンス向上
経験豊富な中途採用者は、入社後すぐに業務に慣れ、高いパフォーマンスを発揮することが期待できます。これにより、事業の立ち上げや課題解決のスピードが向上し、企業全体の生産性向上に貢献します。
〇採用コスト・育成コストの抑制
新卒採用では、説明会の開催、選考プロセスの設計、内定者フォロー、入社後の研修など、多大なコストと時間が必要です。一方、中途採用は即戦力として採用されるため、育成にかかる時間やコストを抑えることができます。
〇組織の多様性と活性化
異なるバックグラウンドや経験を持つ中途採用者が加わることで、組織内に新たな視点や知識、文化が持ち込まれます。これにより、組織の多様性が増し、既存社員への良い刺激となり、組織全体の活性化に繋がります。
〇ミスマッチのリスク低減
中途採用では、これまでの職務経歴や実績に基づいて選考を行うため、企業が求めるスキルや経験とのミスマッチのリスクを低減しやすいという側面があります。
3. ビジネスパーソンがこの変化にどう対応すべきか
企業の中途採用重視の傾向は、ビジネスパーソンにとって新たなキャリア機会を生み出す一方で、自身のキャリア戦略を再考する必要性も示唆しています。
〇市場価値の高いスキル・経験の習得
常に自身の市場価値を高める意識を持つことが重要です。AI、データ分析、プログラミング、デジタルマーケティングなど、需要が高まっているスキルを積極的に学び、実践経験を積むことで、自身の選択肢を広げることができます。
〇キャリアの棚卸しと専門性の明確化
これまでのキャリアで培ってきた経験やスキルを定期的に棚卸しし、自身の専門性を明確に言語化できるようにしておくことが重要です。どのような課題を解決し、どのような成果を出してきたのかを具体的に示すことで、企業へのアピール力を高めることができます。
〇主体的なキャリア形成と情報収集
企業にキャリアを委ねるのではなく、自ら主体的にキャリアを形成していく意識を持つことが求められます。業界トレンドや企業の採用動向に関する情報収集を怠らず、自身のキャリアパスを常にアップデートしていくことが重要です。
〇社外とのネットワーク構築
社外のビジネスパーソンや専門家とのネットワークを構築することで、新たな情報や機会を得やすくなります。異業種交流会や専門分野のセミナーなどに積極的に参加し、自身の視野を広げましょう。
■まとめ
新卒採用に消極的で中途採用を増やす企業が増加しているのは、現代の急速なビジネス環境の変化に対応するための必然的な動きと言えます。このトレンドは、企業にとっては即戦力獲得による競争力強化、ビジネスパーソンにとってはキャリア選択の多様化と自己成長の機会を意味します。
変化の波を乗りこなし、自身のキャリアを成功させるためには、常に学び続け、自身の市場価値を高める努力を怠らないことが不可欠です。本記事が、皆様の今後のキャリア戦略の一助となれば幸いです。



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