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思考実験とゲーム理論を組み合わせてビジネスの課題を解決!

Solve business problems by combining thought experiments and game theory!
Solve business problems by combining thought experiments and game theory!

〜ビジネスの課題を解決するアイデア〜


事業を運営していると、時には複雑な問題に直面することがあります。特に、複数の競合他社が絡む状況では、単純な思考では解決策を見いだせないことも少なくありません。このような時、思考実験とゲーム理論を組み合わせることで、より深く、論理的に問題を分析し、最適な戦略を導き出すことができます。




■思考実験とゲーム理論の組み合わせ


思考実験とは、現実には実行が難しい、あるいは倫理的に問題のある状況を頭の中でシミュレートする手法です。アインシュタインの「エレベーターの思考実験」やシュレーディンガーの「猫」が有名ですね。ビジネスにおいては、ある戦略を取った場合に市場がどう反応するか、競合がどう動くかを仮想的に検討するために使います。


一方、ゲーム理論は、複数の意思決定者がいる状況で、それぞれの意思決定者の行動が互いに影響し合う状況を数学的に分析する学問です。この理論は、自分の行動だけでなく、相手の行動も考慮に入れた上で、最適な戦略を導き出すのに役立ちます。例えば、競合との価格競争や、新しい製品の市場投入など、さまざまなビジネスシーンに応用できます。


これらを組み合わせることで、単なる直感や経験に頼るのではなく、より客観的で論理的なアプローチでビジネスの課題に挑むことが可能になります。




■ステップ1

〜問題の定義と思考実験の構築〜


まずは、解決したいビジネスの難題を明確に定義します。例えば、「新製品を投入するか、それとも見送るべきか」や「価格を上げるか、それとも下げるべきか」などです。問題が定義できたら、次に思考実験のシナリオを構築します。


※シナリオ例

・登場人物(プレイヤー)

自社、主要競合A社、顧客


・行動(戦略)

自社: 新製品を市場に投入する、しない

競合A社: 新製品を投入する、しない

顧客: 新製品を購入する、しない


・仮説

新製品を投入した場合、顧客の反応や競合の動向はどうなるか?



このステップでは、シンプルに状況を整理し、関わるすべてのプレイヤーとその戦略を洗い出すことが重要です。




■ステップ2

〜ゲーム理論によるペイオフ(利得)の評価〜


次に、ステップ1で設定した思考実験のシナリオに、ゲーム理論を適用します。ゲーム理論では、各プレイヤーがそれぞれの戦略を取った場合に得られるペイオフ(利得)を数値化します。ペイオフは、売上、利益、市場シェア、ブランドイメージなど、さまざまな指標で評価できます。


※ペイオフ表の作成

以下の表は、自社と競合A社が新製品を投入するかどうかを巡る、架空のペイオフ表です。数値は利益を表します。


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この表から、自社が新製品を投入した場合、競合も投入すれば10億円の利益ですが、競合が投入しなければ15億円の利益が得られることがわかります。しかし、競合が投入した場合、自社が非投入だと利益は8億円にまで下がります。このように、相手の行動によって自分の利得が変わる状況を視覚化できます。




■ステップ3

〜均衡点の探索と戦略の決定〜


ペイオフ表ができたら、次にナッシュ均衡と呼ばれる均衡点を探します。ナッシュ均衡とは、どのプレイヤーも自分の戦略を単独で変えることによって、より良い結果を得ることができない状態のことです。


上記の例では、自社が「投入」の戦略を取った場合、競合A社は「非投入」より「投入」の方がペイオフが高くなります。逆に、競合A社が「投入」の戦略を取った場合、自社は「非投入」より「投入」の方がペイオフが高くなります。この状況では、両社が「投入」の戦略を選ぶのがナッシュ均衡となります。


ナッシュ均衡が見つかれば、それが最も安定した、論理的な戦略となります。しかし、複数のナッシュ均衡が存在する場合や、均衡点がない場合もあります。その際は、さらなる思考実験を重ね、市場環境や長期的な目標などを加味して最適な戦略を決定します。




■まとめ


思考実験とゲーム理論を組み合わせることで、複雑なビジネス課題を体系的に分析し、論理的な根拠に基づいた意思決定が可能になります。これは、単に直感に頼るのではなく、より確実性の高い成功へと導くための強力なツールとなるでしょう。このフレームワークを応用することで、あなたのビジネスはより堅牢なものになるはずです。



もし、あなたのビジネス課題に当てはめてみて、具体的な戦略の構築で困ったことがあれば、ぜひご相談ください。


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©2023 合同会社ラパンサービス

Écrit par Hideo Yamamoto.

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