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なぜ優秀な人から辞めてしまうのか?

Why do we leave talented people?
Why do we leave talented people?

1.「イソギンチャク」社員が会社に残る現象


「また優秀なAさんが辞めてしまった……」


会社に貢献してきた能力の高い社員ほど辞めていき、一方でパフォーマンスの低い社員がなぜか居座り続ける。そんな現象に心当たりのある経営者や管理職の方は多いのではないでしょうか?


この、優秀な社員が辞めて、そうでない社員が会社に残る現象は、まるでイソギンチャクのようだと表現されることがあります。イソギンチャクが岩にしっかりと吸着して離れないように、能力の低い社員は会社という安定した環境に強くしがみつき、優秀な社員が新天地を求めて海を漂う様子に例えられています。



2.なぜ「イソギンチャク」社員は会社を辞めないのか?


彼らが会社に留まるのには、いくつかの理由が考えられます。


・「転職市場」での価値が低い

高いスキルや実績がないため、他の会社に転職しても今以上の待遇やポジションを得ることが難しいと感じています。そのため、現状維持が最も安全な選択だと考えています。


・「居心地の良さ」への依存

現在の会社の人間関係や働き方に慣れており、新しい環境に飛び込むことへのストレスや不安が強い傾向にあります。


・「自己評価」と「他者評価」のギャップ

自分自身の能力を過大評価している一方で、市場価値とのギャップに気づいていないことがあります。




3.なぜ優秀な社員は辞めてしまうのか?


一方で、能力の高い社員が辞めてしまう理由は、イソギンチャク社員とは対照的です。


・市場価値の高さ

彼らは自身のスキルや経験に自信があり、転職市場における自分の価値を理解しています。より良い条件や、よりやりがいのある仕事を求めて、積極的にキャリアアップを目指します。


・成長機会の不足

会社から正当に評価されなかったり、新しい挑戦の機会が与えられなかったりすると、「この会社ではもう成長できない」と感じ、外部に活路を見出します。


・不公平感への不満

自分と同じ、あるいはそれ以上の貢献をしていない社員が同等の評価を受けていると感じると、不公平感を抱き、モチベーションを失ってしまいます。特に、会社がイソギンチャク社員を優遇したり、放置したりする姿勢は、優秀な社員の離職に直結します。




4.会社が直面するリスク


この「イソギンチャク」現象は、単に人事の問題にとどまりません。

優秀な社員が抜けることで、残された社員の業務負担が増え、さらなる離職を招く負のスパイラルに陥ります。また、会社全体のスキルレベルが低下し、イノベーションが停滞するリスクもあります。結果として、会社の競争力そのものが失われてしまう危険性があるのです。




5.この悪循環を断ち切るために


この問題を解決するには、まず会社が「イソギンチャク」社員の存在を認識し、真摯に向き合うことが不可欠です。


・公正な評価制度の導入

個人の成果を正当に評価し、貢献度に応じた報酬や昇進の機会を提供することで、優秀な社員のモチベーションを維持します。


・キャリア開発の支援

社員一人ひとりのキャリアプランに寄り添い、研修やスキルアップの機会を提供することで、成長意欲を刺激します。


・人事戦略の見直し

成果を出していない社員への対応を明確にし、必要に応じて適切な指導や配置転換を行う勇気を持つことが大切です。



あなたの会社は、優秀な社員にとって「居続けたい」と思える場所でしょうか?それとも、イソギンチャクだけが残る、澱んだ水槽になりつつないでしょうか?


この機会に、自社の現状を見つめ直してみてはいかがでしょうか。


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©2023 合同会社ラパンサービス

Écrit par Hideo Yamamoto.

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