top of page

氾濫するカタカナ役職

A flood of job titles written in katakana
A flood of job titles written in katakana

〜その肩書き、何をする人?〜


最近、名刺交換の際に関係性を瞬時に理解できず、密かに困惑した経験はないでしょうか。


「エバンジェリスト」「カスタマーサクセス・リード」「チーフ・ハピネス・オフィサー」……。


一見すると華やかですが、その実態や社内での権限範囲が初対面では判然としない「難解なカタカナ役職」が急増しています。




■ 役職の「多義性」がもたらす3つの弊害


本来、役職名は「組織内での役割」と「責任の重さ」を外部に明示するためのインフラであるはずです。しかし、現状は企業ごとに独自の定義が乱立しており、ビジネスコミュニケーションに以下の停滞を招いています。


・意思決定者の特定が困難

「マネージャー」という言葉一つとっても、ある会社では「現場のチームリーダー」であり、別の会社では「部長級の決裁権を持つ者」を指します。誰に対して最終的な提案をすべきか、カウンターパートの特定に余計なコストがかかっています。


・儀礼的なミスマッチ

相手の立場を過小評価して失礼な対応をしたり、逆に権限のない相手に過度な期待を寄せて商談が空転したりと、役職の「読み違え」が実害を生んでいます。


・社内的な「役割のインフレ」

採用ブランディングや社員のモチベーション維持のために目新しいカタカナ名を採用するケースが増えていますが、実態を伴わない肩書きは、かえって対外的な信頼を損なうリスクを孕んでいます。



■ 業界標準という「共通言語」は作れないか


IT業界における「CTO(最高技術責任者)」のように、広く浸透した名称もありますが、依然として多くの役職が各社の「方言」と化しています。


ここで提言したいのは、「役職名の業界標準化」、あるいは少なくとも「階層構造のガイドライン策定」です。


・グローバルスタンダードへの準拠

独自名称を廃し、海外でも通用する階層構造(例:Director, VP, Head of...)に統一する。


・役割(Role)と職位(Rank)の分離

業務内容を示すカタカナ名(役割)の横に、組織上の責任レベル(職位)を併記することをルール化する。




■ 「伝わらない」肩書きは、コストである


スタートアップから大企業まで、多様な働き方が広がる現代だからこそ、相手への「敬意」の第一歩は、自分の立場を正確に伝えることから始まります。


「相手に調べさせる手間」を強いる肩書きは、もはやお洒落なブランディングではなく、情報の非対称性を生むコミュニケーションコストと言わざるを得ません。


名刺は自己表現のツールである前に、ビジネスの円滑な進行を助ける「標識」であるべきです。業界を超えた共通言語としての「役職名」の再定義が、今、日本のビジネスシーンに求められています。


意味不明なカタカナ役職は、格好悪いと思いませんか?


コメント

5つ星のうち0と評価されています。
まだ評価がありません

評価を追加

©2023 合同会社ラパンサービス

Écrit par Hideo Yamamoto.

bottom of page