いじめを脳科学の観点から解説
- LAPIN PDG
- 4月5日
- 読了時間: 3分

■いじめという辛い経験をされているあなたへ。
脳科学の観点から、なぜいじめが起こるのか、そしてあなたが悪いわけではないことを理解するための情報を提供します。
■脳科学から見るいじめのメカニズム
いじめは、複雑な要因が絡み合って起こる現象です。脳科学の研究から、いじめ加害者と被害者、それぞれの脳の働きについて、いくつかのことがわかってきています。
加害者の脳の働き
〇共感性の欠如
いじめ加害者の脳では、他者の感情を理解する「共感性」に関わる領域の活動が低下している場合があります。そのため、相手の痛みや苦しみを想像することが難しく、罪悪感を抱きにくいと考えられます。
〇報酬系の過活動
いじめによって優越感や支配欲が満たされると、脳の「報酬系」が活性化し、快感物質であるドーパミンが放出されます。この快感が、いじめ行為を繰り返す動機になる可能性があります。
〇前頭前皮質の未発達
衝動を抑制したり、長期的な結果を予測したりする「前頭前皮質」は、成長過程において発達します。特に若い世代では、この部分が未発達なため、感情のコントロールが難しく、いじめに発展しやすいと考えられます。
被害者の脳の働き
〇扁桃体の過活動
いじめを受けると、脳の「扁桃体」という領域が過剰に活動し、恐怖や不安を感じやすくなります。これにより、些細なことでも過敏に反応し、ストレスを感じやすい状態になります。
〇海馬の萎縮
慢性的なストレスは、記憶や学習に関わる「海馬」を萎縮させる可能性があります。これにより、集中力や記憶力の低下、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神的な問題を引き起こすことがあります。
〇セロトニン系の機能低下
心の安定に関わる神経伝達物質であるセロトニンが減少することで、気分の落ち込みや睡眠障害などが起こりやすくなります。
■あなたが悪いわけではない
これらの脳科学的な知見から、いじめは決して被害者だけの責任ではないことがわかります。いじめ加害者の脳の働きにも、いじめを引き起こす要因があるのです。
あなたは、何も悪いことをしていません。
いじめは、人間の脳に潜む負の側面が引き起こす現象の一つです。
あなたは、一人で抱え込まず、信頼できる人に相談してください。
■相談窓口
学校の先生、カウンセラー
家族、友人
いのちの電話などの相談機関
あなたは決して一人ではありません。勇気を出して、周りの人に助けを求めてください。
この情報が、あなたの心の負担を少しでも軽くし、前向きな一歩を踏み出す助けになることを願っています。
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